コース変更、再計測について
15年大会より、5区と6区のコースが変更になり、同時に全区間の再計測も行われました。
近年コース変更や再計測が多いので、記録の扱いや過去の記録との比較について私の考え方を書きます。
@ 同一コースに複数の距離表示がある場合
2区を例にすると、再計測が3度行われ、同一のコースなのに以下の4つの距離表示が存在します。
83年〜90年が22.7km
91年〜04年が23.0km
05年〜14年が23.2km
15年〜が23.1km
距離表示の移り変わりは、時代と共に道路の形状が変わる影響もあると思いますが、数mくらいならばともかく、数百mも変わるのは不自然です。計測の仕方や計測器が変わる影響の方が大きいと思います。
同じコースなのに4つも距離表示が存在する2区ですが、この場合は最新の情報こそ、最新の方法で計測されているので正しいとするべきだと思います。
22.7km時代に出された日体大・大塚選手の1時間07分34秒、23.0km時代に出された順大・三代選手の1時間06分46秒、23.2km時代に出された東海大・村澤選手の1時間06分52秒、何れも、(2015年現在)現時点での同コースの最新の距離表示である23.1kmのタイムであると考えるべきだと思います。
A 変更時の距離の差について
コース変更に伴い距離が変わった時は、変更された年とその前年との差を変更された距離と考えるのが最も筋が通っていると思います。
10区を例にすると、98年までは21.3kmで、99年から日本橋を通るルートに変更されて距離は23.0kmになりました。したがって距離延長は1.7kmです。
05年に再計測の結果10区は23.1kmと表示される様になりましたが、それでも「99年に延長された距離は1.7km」と考えるべきだと思います。
B 2015年大会の5区、6区
15年大会ではコースや距離の変更と、再計測が同時に行われたので、非常にわかりづらいです。
特に5区はコース変更に伴い前年と比べて約20m長くなり、再計測により距離表示は0.2km短くなっています。
6区は、距離延長は5区と同じ約20mですが、再計測による距離表示の変更はありません。
同じ方法で再計測をしているはずですが、5区は0.2kmも短くなっているのに、6区は変わっていないのは不思議です。
また、延長された距離も約20mと、正確な数値は発表されず、陸上雑誌にも書かれてはいませんでした。(参考までに、00年に5区と6区が延長された時は月刊陸上競技の箱根駅伝ガイドに詳しい検証記事がありました)
この15年大会の距離変更、再計測はどうもわかりづらくすっきりしません。
後の時代になって、新しく駅伝ファンになった人達が、過去の記録表を見て混乱する姿が目に浮かぶようです。
駅伝の距離表示に完璧さを求める人も少ないと思うし、それよりもコロコロ距離表示が変わる方が問題だと思います。
やる側も見る側も、再計測はあまりメリットがないと思うのですが・・・。